法句経 / 第六 賢哲の部 七六〜七八
七六 伏藏を告ぐる人の如く、(人に)避くべきことを示し、訓誡する聰慧者に遭ふときは此の賢人に侶となれ、斯かる人を侶とするときは勝利ありて罪過なし。 七七 教授せよ教誡せよ、不應爲の事を避けよ、彼は善人の愛する所にして不善人の愛せざる所なり。 七八 惡友に伴なはざれ、下劣の人を侶とせざれ、善友に伴なへ、上士を侶とせよ。
新字:七六 伏蔵を告ぐる人の如く、(人に)避くべきことを示し、訓誡する聰慧者に遭ふときは此の賢人に侶となれ、斯かる人を侶とするときは勝利ありて罪過なし。 七七 教授せよ教誡せよ、不応為の事を避けよ、彼は善人の愛する所にして不善人の愛せざる所なり。 七八 悪友に伴なはざれ、下劣の人を侶とせざれ、善友に伴なへ、上士を侶とせよ。
書き下し
七六 伏蔵を告ぐる人の如く、(人に)避くべきことを示し、訓誡する聰慧者に遭ふときは此の賢人に侶となれ、斯かる人を侶とするときは勝利ありて罪過なし。 七七 教授せよ教誡せよ、不応為の事を避けよ、彼は善人の愛する所にして不善人の愛せざる所なり。 七八 悪友に伴なはざれ、下劣の人を侶とせざれ、善友に伴なへ、上士を侶とせよ。
現代語訳
埋蔵された宝のありかを告げる人のように、避けるべきことを示し、訓戒してくれる聡明な人に出会ったなら、この賢人を友とせよ。そういう人を友とすれば、利益があって過ちがない。教え導き、教え戒めよ、なすべきでないことを避けさせよ。そのような人は善き人に愛され、善からぬ人には愛されない。悪しき友と交わるな、下劣な人を友とするな。善き友と交わり、優れた人を友とせよ。
解説
「伏藏を告ぐる人の如く」——伏蔵とは地中に埋もれた宝のこと。自分の欠点を指摘してくれる人を、宝のありかを教えてくれる人に喩える。叱られることを損だと感じる心に、真っ向から別の値札をつけている。そのうえで七七が現実を書き添える。訓戒する人は「善人の愛する所にして不善人の愛せざる所」——善い人には好かれ、そうでない人には嫌われる。忠告する側は必ず嫌われるという覚悟が要る、ということでもある。七八の「惡友に伴なはざれ」は交友の選択を説くが、七六と並べて読むと基準がはっきりする。心地よくしてくれる人ではなく、宝のありかを告げてくれる人を選べという話である。
この章句が説くこと
伏蔵を告ぐる人訓誡悪友と善友指摘