法句経 / 第三 心の部 三三・三四
三三 心は輕躁動轉し護り難く御し難し、智者は之を正しくす、猶ほ弓匠の箭に於けるが如し。 三四 水の住處より取り出され、陸に投ぜられたる魚の如く、魔の支配を逃れんとして我等の心は戰慄す。
新字:三三 心は軽躁動転し護り難く御し難し、智者は之を正しくす、猶ほ弓匠の箭に於けるが如し。 三四 水の住処より取り出され、陸に投ぜられたる魚の如く、魔の支配を逃れんとして我等の心は戦慄す。
書き下し
三三 心は軽躁動転し護り難く御し難し、智者は之を正しくす、猶ほ弓匠の箭に於けるが如し。 三四 水の住処より取り出され、陸に投ぜられたる魚の如く、魔の支配を逃れんとして我等の心は戦慄す。
現代語訳
心は軽々しく動きまわり、護りにくく御しにくい。智者はこれを正しくする。ちょうど弓職人が矢を矯めるように。水の住処から取り出され、陸に投げられた魚のように、魔の支配を逃れようとして我らの心は震える。
解説
第三章「心の部」の冒頭。心を、矯められる前の矢に喩える。曲がった竹を火にあて、まっすぐに矯めていく。時間がかかり、力を込めれば折れる。心の扱いを技術として捉えた比喩である。続く三四の魚の比喩は、もっと生々しい。水から引き揚げられ陸に放り出された魚が跳ねる。あの跳ね方が、支配から逃れようとするときの心の姿だという。落ち着かない、じっとしていられない、という状態を、苦しみとしてではなく、まさに変わろうとしている場面として描いている点が独特である。修養の初期に心が乱れるのは失敗ではなく、水から上がった魚が跳ねているのだと読める。
この章句が説くこと
心は軽躁弓匠と矢陸に投げられた魚心を御す