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呉子 / 励士篇

於是武侯設坐廟廷為三行饗士大夫。上功坐前行,餚席兼重器、上牢。次功坐中行,餚席器差減。無功坐後行,餚席無重器。饗畢而出,又頒賜有功者父母妻子於廟門外,亦以功為差。有死事之家,歲被使者勞賜其父母,著不忘於心。行之三年,秦人興師,臨於西河,魏士聞之,不待吏令,介冑而奮擊之者以萬數。

新字:於是武侯設坐廟廷為三行饗士大夫。上功坐前行,餚席兼重器、上牢。次功坐中行,餚席器差減。無功坐後行,餚席無重器。饗畢而出,又頒賜有功者父母妻子於廟門外,亦以功為差。有死事之家,歲被使者労賜其父母,著不忘於心。行之三年,秦人興師,臨於西河,魏士聞之,不待吏令,介冑而奮擊之者以万数。

書き下し

是に於て武侯、坐を廟廷に設け、三行を為して士大夫を饗す。上功は前行に坐せしめ、餚席には重器と上牢とを兼ぬ。次功は中行に坐せしめ、餚席の器は差減す。功無き者は後行に坐せしめ、餚席に重器無し。饗畢わりて出づれば、又功有る者の父母妻子に廟門の外に頒ち賜い、亦た功を以て差と為す。死事の家有らば、歳ごとに使者を被らしめて其の父母を労い賜い、心に忘れざるを著す。之を行うこと三年、秦人師を興して、西河に臨む。魏の士之を聞き、吏の令を待たずして、介冑して奮い之を撃つ者、万を以て数う。

現代語訳

そこで武侯は、宗廟の庭に席を設け、三つの列を作って士大夫たちをもてなした。功績が最も高い者は前の列に座らせ、その膳には貴重な器と最上の肉料理を並べた。次の功績の者は中の列に座らせ、膳の器は一段落とした。功績のない者は後ろの列に座らせ、膳に貴重な器は置かなかった。宴が終わって退出すると、さらに功績のあった者の父母や妻子にも、宗廟の門の外で品を分け与え、これも功績に応じて差をつけた。戦死した者の家には、毎年使者を遣わしてその父母をねぎらい品を贈り、けっして忘れてはいないことを示した。これを三年続けたところ、秦が軍を起こして西河に迫った。魏の兵士たちはこれを聞くと、役人の命令を待つまでもなく、自ら甲冑を着けて奮い立ち、迎え撃とうと駆けつけた者が万を数えたのである。

解説

呉起の進言を受けて、武侯が実際に行ったことが描かれます。宗廟の庭に三列の席を作り、功績の順に座らせる。膳の器も料理も、はっきり差をつける。功績のない者も同じ場に招くけれども、扱いには差がある。さらに功績のあった者の家族にも品を贈り、戦死者の家には毎年使者を送って忘れていないことを伝え続けました。注目したいのは、評価が公開の場で、目に見える形で示されている点です。誰がどれだけ貢献したかが誰の目にも明らかになり、しかも本人だけでなく家族にまで届く。三年続けた結果、秦が攻めてきたとき、魏の兵は命令を待たずに自ら武装して駆けつけました。命令されて動く組織が、命令を待たずに動く組織に変わったのです。現代でも評価は個室で本人にだけ伝えられがちです。誰の働きが認められるのかを可視化し、続けること。三年という時間の重みも教えています。

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