言志四録 / 南洲手抄
無一息間斷、無一刻急忙。即是天地氣象。
新字:無一息間断、無一刻急忙。即是天地気象。
書き下し
一息の間断無く、一刻の急忙無し。即ち是れ天地の気象なり。
現代語訳
一息の途切れもなく、しかし一刻の慌ただしさもない。これがそのまま天地のありさま(気象)である。
解説
理想の生き方の呼吸を、天地の運行になぞらえた一条です。天地は、休むことなく(一息の間断もなく)動き続けながら、決して慌てず騒がず(一刻の急忙もなく)、悠々と運行しています。人もこうありたい——たゆまず続けながら、しかし焦らない。「継続」と「平静」の両立です。十四番の「急迫は事を敗る、寧耐は事を成す」とも響き合います。休みなく努めること(自彊不息)と、慌てないこと(寧耐)は、矛盾せず両立する。忙しさに追われて息切れするか、あるいは怠けて途切れるか——その両極を避け、天地のように淡々と続ける理想像を示す、格調高い一条です。
この章句が説くこと
天地の気象継続と平静自彊不息寧耐
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