言志四録 / 南洲手抄
有本然之眞己、有躯殼之假己。須要自認得。
新字:有本然之真己、有躯殼之仮己。須要自認得。
書き下し
本然の真己有り、躯殻の仮己有り。須らく自ら認め得んことを要すべし。
現代語訳
人には、本来あるべき「真の自己」と、肉体という殻にすぎない「仮の自己」とがある。この二つを自分で見きわめることが肝要である。
解説
一斎は自己を二層に分けます。欲や体面にとらわれた「仮の自己(躯殻の仮己)」と、その奥にある本来の「真の自己(本然の真己)」。多くの人は仮の自己を自分だと思い込み、欲望や見栄に振り回されます。だからこそ、どちらが本当の自分かを自ら見きわめよ、と説くのです。この「真己・仮己」の対は、後の八十二番でも繰り返される一斎の中心思想です。自分探しが語られる現代に、探すべきは外ではなく内にある本来の自己だと指し示します。
この章句が説くこと
真己と仮己本来の自己克己修養
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