言志四録 / 南洲手抄
性同而質異。質異、教之所由設也。性同、教之所由立也。
書き下し
性は同じうして質は異る。質異るは教の由つて設けらるる所なり。性同じきは教の由つて立つ所なり。
現代語訳
人の本性は同じだが、資質は一人ひとり異なる。資質が異なるからこそ教育が必要とされ、本性が同じだからこそ教育が成り立つのである。
解説
一斎の教育観の根本を示す一条です。人は生まれつきの本性(善へ向かう心)は等しいが、気質や才能はさまざまに違う。この「違い」があるからこそ、一人ひとりに応じた教えが要ります。同時に、根っこの本性が「同じ」だからこそ、教育によって誰もが伸びうる——教えが成り立つ。画一化と個別化、そのどちらに偏っても教育は成らないことを、わずか二十数字で言い切ります。多様な人材を育てる立場にある人に、深い示唆を与える言葉です。
この章句が説くこと
教育性と質個別化人を育てる
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