易経 / 序卦
革物者莫若鼎,故受之以《鼎》。主器者莫若長子,故受之以《震》。《震》者,動也。物不可以終動,止之,故受之以《艮》。《艮》者,止也。物不可以終止,故受之以《漸》。
書き下し
物を革(あらた)むる者は鼎(てい)に若(し)くは莫し、故に之を受くるに鼎を以てす。器を主る者は長子に若くは莫し、故に之を受くるに震を以てす。震とは、動くなり。物は以て終に動くべからず、之を止む、故に之を受くるに艮(ごん)を以てす。艮とは、止まるなり。物は以て終に止まるべからず、故に之を受くるに漸を以てす。
現代語訳
物を作り変えるものとしては、鼎にまさるものはありません。だから革の次に鼎の卦を置きます。祭器を主宰する者としては、長子にまさるものはありません。だから次に震の卦を置きます。震とは、動くことです。物事はいつまでも動き続けることはできず、どこかでこれを止めます。だから次に艮の卦を置きます。艮とは、止まることです。物事はまた、いつまでも止まったままではいられません。だから次に漸の卦を置きます。
解説
古いものを取り去る革のあとに、鼎が置かれます。鼎は生の食材を煮て新しいものへ変える器であり、古きを革(あらた)めるだけでなく、新しい形を作り上げる働きを表します。その鼎という器を受け継ぎ主宰するのが長子であり、長子にあたる卦が震、すなわち動き出すことです。しかし動き続けることはできないので止まり(艮)、止まったままでもいられないので少しずつ進む(漸)へと移ります。ここで語られているのは、変革は壊すだけでは終わらないという順序です。壊した後には、煮炊きして形を整える工程がいる。そして動と静は交互に必要で、止まることは怠けではなく次の一歩の準備になります。急ぎの改革のあとに落ち着いて足場を固め、それからゆっくり進む。この呼吸が、変化を定着させます。
この章句が説くこと
易経序卦伝鼎震艮漸
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