易経 / 序卦
夫婦之道不可以不久也,故受之以《恆》。《恆》者,久也。物不可以久居其所,故受之以《遯》。《遯》者,退也。物不可以終遯,故受之以《大壯》。物不可以終壯,故受之以《晉》。
新字:夫婦之道不可以不久也,故受之以《恒》。《恒》者,久也。物不可以久居其所,故受之以《遯》。《遯》者,退也。物不可以終遯,故受之以《大壮》。物不可以終壮,故受之以《晋》。
書き下し
夫婦の道は以て久しからざるべからざるなり、故に之を受くるに恆(こう)を以てす。恆とは、久しきなり。物は以て久しく其の所に居るべからず、故に之を受くるに遯(とん)を以てす。遯とは、退くなり。物は以て終に遯るべからず、故に之を受くるに大壮を以てす。物は以て終に壮んなるべからず、故に之を受くるに晋を以てす。
現代語訳
夫婦の道は、長く続くものでなければなりません。だから次に恆の卦を置きます。恆とは、久しく続くことです。しかし物事は、いつまでも同じ場所にとどまっていることはできません。だから次に遯の卦を置きます。遯とは、しりぞくことです。物事はまた、いつまでも退き隠れているわけにもいきません。だから次に大壮の卦を置きます。物事はまた、いつまでも盛んなままではいられません。だから次に晋の卦を置きます。
解説
長続きすること(恆)を尊びながら、同じ場所に居座り続けることはできないと言い、しりぞくこと(遯)を置く。かといって退いたままでもいられないので勢いを盛り返し(大壮)、その盛んさもまた続かないので、次は進み昇る(晋)へと移る。持続と退避、勢いと前進が交互に現れる、行きつ戻りつの連鎖です。恆が「久しく続く」ことを言いながら、その直後に退きの卦が置かれているのは矛盾ではありません。同じ形にしがみつくことと、続けることは違う、という見方がここにはあります。仕事や商売でも、長く続いている会社ほど、いる場所や売り方を少しずつ変えています。引き際を知って身を引く時期があるからこそ、次に力を盛り返せる。勢いが出たときには、それも永続しないと知っておく。この呼吸が、長く続けるための現実的な技術になります。
この章句が説くこと
易経序卦伝恒遯大壮
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