易経 / 序卦
物畜然後有禮,故受之以《履》。履而泰然後安,故受之以《泰》。《泰》者,通也。物不可以終通,故受之以《否》。物不可以終否,故受之以《同人》。與人同者,物必歸焉,故受之以《大有》。
新字:物畜然後有礼,故受之以《履》。履而泰然後安,故受之以《泰》。《泰》者,通也。物不可以終通,故受之以《否》。物不可以終否,故受之以《同人》。与人同者,物必帰焉,故受之以《大有》。
書き下し
物畜えられて然る後に礼有り、故に之を受くるに履(り)を以てす。履みて泰(やす)らかにして然る後に安し、故に之を受くるに泰を以てす。泰とは、通ずるなり。物は以て終に通ずべからず、故に之を受くるに否(ひ)を以てす。物は以て終に否がるべからず、故に之を受くるに同人を以てす。人と同じくする者には、物必ず帰す、故に之を受くるに大有を以てす。
現代語訳
物が蓄えられて、その後にはじめて礼が生まれます。だから次に履の卦を置きます。礼を踏み行って安らかであれば、その後に落ち着きが得られます。だから次に泰の卦を置きます。泰とは、滞りなく通じることです。物事はいつまでも通じ続けることはできません。だから次に否の卦を置きます。物事はまた、いつまでもふさがり続けることもできません。だから次に同人の卦を置きます。人と心を同じくする者のもとには、物事は必ず集まってきます。だから次に大有の卦を置きます。
解説
蓄えができると、その分け方や振る舞い方の約束ごと、すなわち礼が必要になります。礼を踏み行えば場は落ち着き、通じ合う泰の時が訪れる。しかし通じきった状態は続かず、やがてふさがる否に転じ、そのふさがりもまた続かず、人と心を合わせる同人へと開き、心を合わせた者のもとには自然と物が集まって大有、大いに有つ時が来る。ここでは、順調と停滞が交互に訪れることが前提として語られています。泰の次に否が置かれているのは不吉な予言ではなく、うまく行っている時ほど閉塞の芽が育つという見方の表明です。仕事でも、業績が伸びている時期にこそルールが緩み、人が離れ始めます。好調のときに礼儀や約束ごとを整え直し、行き詰まったときには一人で抱えず人と組む。この二つを覚えておくだけで、波の上下に振り回されにくくなります。
この章句が説くこと
易経序卦伝泰否同人
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