易経 / 説卦
乾為天,為圜,為君,為父,為玉,為金,為寒,為冰,為大赤,為良馬,為老馬,為瘠馬,為駁馬,為木果。坤為地,為母,為布,為釜,為吝嗇,為均,為子母牛,為大輿,為文,為眾,為柄,其於地也為黑。
新字:乾為天,為圜,為君,為父,為玉,為金,為寒,為冰,為大赤,為良馬,為老馬,為瘠馬,為駁馬,為木果。坤為地,為母,為布,為釜,為吝嗇,為均,為子母牛,為大輿,為文,為眾,為柄,其於地也為黒。
書き下し
乾は天と為し、圜と為し、君と為し、父と為し、玉と為し、金と為し、寒と為し、冰と為し、大赤と為し、良馬と為し、老馬と為し、瘠馬と為し、駁馬と為し、木果と為す。坤は地と為し、母と為し、布と為し、釜と為し、吝嗇と為し、均と為し、子母牛と為し、大輿と為し、文と為し、眾と為し、柄と為し、其の地に於けるや黑と為す。
現代語訳
乾は天にあて、まるいものにあて、君主にあて、父にあて、玉にあて、金にあて、寒さにあて、氷にあて、濃い赤にあて、よい馬にあて、老いた馬にあて、痩せた馬にあて、まだら毛の馬にあて、木の実にあてる。坤は地にあて、母にあて、布にあて、釜にあて、出し惜しみにあて、平らに行きわたることにあて、子を連れた牛にあて、大きな車にあて、あやなす模様にあて、多くの人々にあて、柄となって支えるものにあて、土地についていえば黒い土にあてる。
解説
ここからは八卦それぞれに、身のまわりの事物を次々と当てはめていく部分です。乾には天・円・君・父・玉・金・寒・氷といった、堅く清く高いものが並びます。坤には地・母・布・釜・大車・衆といった、受けとめ載せ養うものが並びます。列挙はやや唐突に見えますが、これは辞書というより、一つの性質から連想を広げる訓練です。乾の芯にある「堅く休まず高い」という性格を掴んでいれば、なぜ玉や金や氷が並ぶかが腑に落ちます。坤の芯にある「受けとめ、載せ、行きわたらせる」を掴めば、布も釜も大車も同じ仲間だと分かります。世界を八つの働きで分類するとは、こういう連想の筋を通すことです。仕事でも、目の前の案件を「これは推し進める性質のものか、支え養う性質のものか」と大づかみに仕分けられれば、扱い方の見当がつきます。細目を暗記するより、芯の性格を掴むことが肝心です。