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易経 / 説卦

乾,天也,故稱乎父。坤,地也,故稱乎母。震一索而得男,故謂之長男。巽一索而得女,故謂之長女。坎再索而得男,故謂之中男。離再索而得女,故謂之中女。艮三索而得男,故謂之少男。兌三索而得女,故謂之少女。

書き下し

乾は、天なり、故に父と稱す。坤は、地なり、故に母と稱す。震は一たび索めて男を得、故に之を長男と謂う。巽は一たび索めて女を得、故に之を長女と謂う。坎は再び索めて男を得、故に之を中男と謂う。離は再び索めて女を得、故に之を中女と謂う。艮は三たび索めて男を得、故に之を少男と謂う。兌は三たび索めて女を得、故に之を少女と謂う。

現代語訳

乾は天であるから父と呼ぶ。坤は地であるから母と呼ぶ。震は一度求めて男を得たものであるから長男という。巽は一度求めて女を得たものであるから長女という。坎は二度求めて男を得たものであるから中男という。離は二度求めて女を得たものであるから中女という。艮は三度求めて男を得たものであるから少男という。兌は三度求めて女を得たものであるから少女という。

解説

八卦を一つの家族に見立てた有名な一段です。乾を父、坤を母とし、残る六つの卦を長男・長女・中男・中女・少男・少女に配当します。なぜこう並ぶかというと、三本の画のうち一本だけ性質の違う画がどこにあるかで、卦の性格と序列が決まるからです。ここには、世界を八つの働きで分類する思考法を、誰にでも分かる家族関係に翻訳しようとする工夫があります。血縁のたとえを使うことで、八卦は互いに無関係な記号ではなく、一つのまとまりの中で役割を分け持つ存在として理解されます。組織を考えるときにも通じる発想でしょう。全体を統べる乾のはたらき、それを受けて形にする坤のはたらき、そして先頭に立つ者、間で支える者、最も若く新しい者。それぞれの位置には固有の持ち味と、そこでしか果たせない役目があります。序列を上下の優劣ではなく、役割の配置として読むところに、この段の落ち着いた知恵があります。

この一句を、あなたの毎日に。

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