易経 / 繋辞下
二與四同功,而異位,其善不同,二多譽,四多懼,近也,柔之為道,不利遠者,其要无咎,其用柔中也,三與五同功,而異位,三多凶,五多功,貴賤之等也,其柔危,其剛勝邪?
新字:二与四同功,而異位,其善不同,二多誉,四多懼,近也,柔之為道,不利遠者,其要无咎,其用柔中也,三与五同功,而異位,三多凶,五多功,貴賤之等也,其柔危,其剛勝邪?
書き下し
二と四とは功を同じくして位を異にし、其の善同じからず。二は誉れ多く、四は懼れ多きは、近ければなり。柔の道たる、遠き者に利あらず。其の要は咎无し。其れ柔中を用うればなり。三と五とは功を同じくして位を異にし、三は凶多く、五は功多きは、貴賤の等なればなり。其れ柔なれば危うく、其れ剛なれば勝つか。
現代語訳
第二爻と第四爻とは、はたらきを同じくしながら位を異にしており、その善さも同じではない。第二爻に誉れが多く、第四爻に恐れが多いのは、第四爻が君の位に近いからである。柔のありようとしては、遠く隔たった者には利がない。その要点は咎なきを得ることであり、それは柔にして中を得ているからである。第三爻と第五爻とは、はたらきを同じくしながら位を異にしており、第三爻に凶が多く、第五爻に功が多いのは、貴と賤との位の違いによる。柔であれば危うく、剛であればまさるといえようか。
解説
六つの爻の位置が、そのまま人の置かれた立場の違いを表すことを説いた一段です。第二爻は下卦の中央にあり、君から適度に離れているので、誉れを受けやすい。第四爻は君のすぐ下にあるため、常に恐れを抱えざるを得ない。同じはたらきをしても、どこに位置するかで受け取られ方が変わるというのです。第三爻と第五爻も同じ構図で、第五爻は君の位にあるから功が多く、第三爻は下卦の上端という不安定な位置にあるから凶が多いとされます。ここで示されているのは、能力だけでなく、位置取りが結果を左右するという現実的な視点です。組織で言えば、トップのすぐ下にいるナンバーツーの立場は、権限がある一方で常に緊張を強いられる。中間管理職は上と下に挟まれて苦労が多い。それは本人の力不足ではなく、その位置に構造的に伴う性質だということです。自分がいま盤上のどこにいるのかを知る。その自覚が、無用な自責も慢心も遠ざけてくれます。