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易経 / 繋辞下

易曰:「憧憧往來,朋從爾思。」子曰:「天下何思何慮?天下同歸而殊塗,一致而百慮,天下何思何慮?」「日往則月來,月往則日來,日月相推而明生焉。寒往則暑來,暑往則寒來,寒暑相推而歲成焉。往者屈也,來者信也,屈信相感而利生焉。」

新字:易曰:「憧憧往来,朋従爾思。」子曰:「天下何思何慮?天下同歸而殊塗,一致而百慮,天下何思何慮?」「日往則月来,月往則日来,日月相推而明生焉。寒往則暑来,暑往則寒来,寒暑相推而歲成焉。往者屈也,来者信也,屈信相感而利生焉。」

書き下し

易に曰く、「憧憧として往来すれば、朋爾の思いに従う」と。子曰く、「天下、何をか思い何をか慮らん。天下、帰を同じくして塗を殊にし、致を一にして慮を百にす。天下、何をか思い何をか慮らん」と。「日往けば則ち月来り、月往けば則ち日来る。日月相推して明生ず。寒往けば則ち暑来り、暑往けば則ち寒来る。寒暑相推して歳成る。往く者は屈なり、来る者は信なり。屈信相感じて利生ず」。

現代語訳

易にいう、「心落ち着かず行ったり来たりすれば、友もお前の思いに引きずられる」と。孔子はいわれた。「天下について、いったい何を思いわずらい、何を思案することがあろうか。天下は同じところへ帰りつくのに、道すじはさまざまであり、行き着く先は一つなのに、考えは百通りある。天下について、何を思いわずらい、何を思案することがあろうか」と。「日が去れば月が来て、月が去れば日が来る。日と月とが互いに押し合って、明るさが生まれる。寒さが去れば暑さが来て、暑さが去れば寒さが来る。寒暑が互いに押し合って、一年が成り立つ。去るものは縮むことであり、来るものは伸びることである。縮みと伸びとが感じ合って、利が生まれるのである」。

解説

「憧憧として往来す」とは、心が落ち着かず、あれこれ思い迷って行き来する姿です。そんな状態では、周りの人もこちらの動揺に引きずられてしまう。ここから孔子は、思いわずらいの無用さを説きます。天下は行き着く先が同じでも道は幾筋もあり、目的は一つでも考え方は百通りある。それなら、思い悩んで一つに決めつけることに、どれほどの意味があるかというのです。続く日月と寒暑の比喩が、その根拠を示します。日が去るから月が出て、寒さが去るから暑さが来る。片方が引っ込むから、もう片方が伸びる。この屈と伸の交替そのものが、明るさを生み、一年をつくり、利益を生み出す。つまり、引くことは負けではなく、次に伸びるための必要な半分だということです。行き詰まったとき、焦って動き回れば周囲まで落ち着きを失います。むしろ静かに引き、時が動くのを待つ。屈と伸を一つの循環として見られるようになると、迷いは自然に減っていきます。

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