易経 / 象伝
麗澤,兌;君子以朋友講習。
新字:麗沢,兌;君子以朋友講習。
書き下し
麗なる澤は兌なり、君子は以て朋友と講習す。
現代語訳
二つの沢が並び連なって水を通わせ合っている、これが兌の形である。君子はこれにならって友人とともに学び、語り合って修める。
解説
兌の卦は、上も下も沢という形です。沢が並び連なり、互いに水を通わせて潤し合う光景で、兌とは「よろこぶ」ことを意味します。隣り合った沢は、一方が涸れそうになれば他方から水が流れ込み、どちらも枯れずに保たれます。君子はこの姿にならい、友とともに学び、語り合って己を磨くのだと説かれます。学びとは本来ひとりで抱え込むものではなく、通わせ合うことで互いに潤い、深まり、そこに喜びが生まれるという見方です。仕事や経営に置き換えれば、学びを開くことの効用にあたります。自分の知見を惜しんで抱え込む人のもとには、新しい水も流れてきません。逆に、率直に問い、率直に教え合う関係を持つ人は、絶えず刺激を受けて涸れることがありません。互いに教え合える相手を持ち、語り合う場を大切にする。そこで得られる喜びこそが続ける力になるというのが、兌の教える身の処し方です。