易経 / 象伝
澤上有雷,歸妹;君子以永終知敝。
新字:沢上有雷,帰妹;君子以永終知敝。
書き下し
澤上に雷有るは歸妹なり、君子は以て終はりを永くして敝を知る。
現代語訳
沢の上で雷が鳴っている、これが帰妹の形である。君子はこれにならって終わりを長く見通し、やがて生じる綻びをあらかじめ知っておく。
解説
帰妹の卦は、下が沢、上が雷という形です。沢の上で雷が動き、水面が波立つ光景で、帰妹とは若い女性が嫁いでいくこと、すなわち新しい結びつきが生まれる場面を指します。始まりはいつも喜ばしく、心が浮き立つものです。しかし象伝は、その喜びの只中で君子は終わりを長く見通し、いずれ生じる綻びを先に知っておくのだと説きます。永く続けようと願うのであれば、始めのうちから、崩れやすい箇所を見つめておかねばならないという考え方です。仕事や経営に置き換えれば、提携や採用、新しい取り組みを始めるときの心得になります。話がまとまった高揚のさなかにこそ、条件の曖昧なところ、負担が偏るところ、感情がこじれそうなところを冷静に確かめておく。始まりの喜びに水を差すためではなく、その関係を長く保つためです。終わりを思って始める。それが帰妹の教える身の処し方です。
この章句が説くこと
易経象伝歸妹帰妹終わりを慮る
関連する章句
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易経・彖伝帰妹(きまい)は、天地の大義なり。天地交わらざれば、万物興らず。帰妹は、人の終始なり。説(よろこ)びて以て動く、帰(とつ)ぐ所は妹(まい)なり。「征けば凶」とは、位当たらざればなり。「利(よ)ろしき攸(ところ)なし」とは、柔の剛に乗ればなり。
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易経・歸妹卦帰妹娣を以てすとは、恒を以てなり。跛にして能く履む吉とは、相承くるなり。幽人の貞に利ありとは、未だ常を変ぜざるなり。帰妹須を以てすとは、未だ当らざるなり。期を愆るの志は、待つ有りて行くなり。帝乙妹を帰がしむ、其の娣の袂の良きに如かずとは、其の位中に在りて、貴を以て行ふなり。上六の実无きは、虚筐を承くるなり。
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易経・歸妹卦周易 第五十四卦。兌下震上。易経。帰妹は、征けば凶、利しき攸无し。初九、帰妹娣(てい)を以てす、跛(あしなへ)にして能く履む、征けば吉。九二、眇(すがめ)にして能く視る、幽人の貞に利あり。六三、帰妹須(しゅ)を以てす、反りて帰ぐに娣を以てす。九四、帰妹期を愆(あやま)る、遅く帰ぐに時有り。六五、帝乙(ていいつ)妹を帰がしむ、其の君の袂(たもと)は、其の娣の袂の良きに如かず。月望(ぼう)に幾(ちか)し、吉。上六、女筐(かご)を承(う)くるに実无く、士羊を刲(さ)くに血无し、利しき攸无し。彖に曰く、
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