易経 / 象伝
澤上於地,萃;君子以除戎器,戒不虞。
新字:沢上於地,萃;君子以除戎器,戒不虞。
書き下し
澤の地に上るは萃なり、君子は以て戎器を除め、不虞を戒む。
現代語訳
沢の水が地の上に集まっている、これが萃の形である。君子はこれにならって武器を手入れして整え、思いがけない事態に対して警戒を怠らない。
解説
萃の卦は、下が地、上が沢という形です。地の上に水が集まって沢をなしている光景で、萃とは「あつまる」ことを意味します。人も物も財も一か所に集まれば、そこに豊かさが生まれますが、同時に争いや盗みを呼び込む危うさも生まれます。水が多く集まればいつか堤を越えるかもしれない、という不安と隣り合わせなのです。だからこそ君子は、集まっているときにこそ武器を手入れし、思いがけない事態への備えを整えると説かれます。これは戦いを望むことではなく、平穏なときに備えを怠らないという構えです。仕事や経営でいえば、人が増え、業績が上がり、勢いが集まっているときほど、備えを点検する時期だということになります。人が集まれば摩擦が起き、金が集まれば管理が要る。順調な今のうちに、規律や仕組み、危機のときの手順を整えておく。それが萃の卦が示す身の処し方です。
この章句が説くこと
易経象伝萃有事への備え
関連する章句
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