易経 / 象伝
山上有水,蹇;君子以反身修德。
新字:山上有水,蹇;君子以反身修徳。
書き下し
山の上に水有るは、蹇(けん)なり。君子以て身に反(かえ)りて德を修む。
現代語訳
山の上に水がたたえられている、これが蹇の卦の形である。君子はこの形に学び、外を責めずに自分自身に立ち返り、徳を修めるのです。
解説
蹇の卦は、艮(山)の上に坎(水)がある形です。前に進もうとすれば険しい山があり、その上にはさらに水が待ち構えている。行く手が二重にふさがれた、進みがたい難儀の時が蹇です。蹇とは足なえ、思うように歩けないことを意味します。そんな時に人はつい、道が悪い、環境が悪い、あの人が悪いと外に原因を求めます。しかし象伝は、反身修德、身にかえりて徳を修む、と説く。進めないのなら、その足踏みの時間を使って、自分自身を整えよというのです。仕事や経営でも、どう動いても打開できない局面があります。焦って手を打つほど傷が広がる時、できるのは自分の側を見直すことだけです。判断のどこに甘さがあったか、学び直すべきことは何か、体調や心の余裕は保てているか。外の壁は自分では動かせなくとも、自分の力量は動かせる。難儀の時期は、静かに実力を蓄える時期でもあるのです。
この章句が説くこと
蹇反身修徳易経象伝
関連する章句
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易経・蹇卦周易 第三十九卦。艮下坎上。易経。蹇(けん)は、西南に利あり、東北に利あらず。大人を見るに利あり、貞にして吉。初六、往けば蹇(なや)み、来れば誉れあり。六二、王臣蹇蹇(けんけん)たり、躬(み)の故に匪ず。九三、往けば蹇み来れば反(かへ)る。六四、往けば蹇み来れば連なる。九五、大いに蹇みて朋来る。上六、往けば蹇み来れば碩(おほ)いなり、吉。大人を見るに利あり。彖に曰く、
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易経・蹇卦往けば蹇み来れば誉れありとは、宜しく待つべきなり。王臣蹇蹇たるは、終に尤(とが)无きなり。往けば蹇み来れば反るとは、内之を喜ぶなり。往けば蹇み来れば連なるとは、位に当りて実あるなり。大いに蹇みて朋来るとは、中節を以てなり。往けば蹇み来れば碩いなりとは、志内に在るなり。大人を見るに利ありとは、以て貴きに従ふなり。
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易経・彖伝蹇(けん)は、難なり、険前に在るなり。険を見て能く止まる、知なるかな。「蹇は西南に利ろし」とは、往きて中を得るなり。「東北に利ろしからず」とは、其の道窮まればなり。「大人を見るに利ろし」とは、往きて功有るなり。位に当りて「貞しくして吉」とは、以て邦を正すなり。蹇の時用大なるかな。
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