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易経 / 象伝

上火下澤,睽;君子以同而異。

新字:上火下沢,睽;君子以同而異。

書き下し

上は火、下は澤なるは、睽(けい)なり。君子以て同じくして異なる。

現代語訳

上に火があり、下に沢がある、これが睽の卦の形である。君子はこの形に学び、大筋では人と同じくしながら、しかるべきところでは自分の異なりを保つのです。

解説

睽の卦は、兌(沢)の上に離(火)がある形です。火は上へ燃えのぼり、沢の水は下へ流れる。同じ場所にありながら、向かう方向が正反対で、たがいに背き離れていく。これが睽、すなわち背き合いを意味します。しかし象伝は、この対立を嘆くのではなく、同而異、同じくして異なる、と説きます。異なるものを無理に一つに溶かすのでもなく、違うからと切り捨てるのでもない。大きな志や目的は共にしながら、個々の考えや持ち味の違いは違いのまま保つ。そこにこそ成り立つ協力があるのです。仕事や経営では、この構えがそのまま組織論になります。全員が同じ意見しか言わない会議は、一見まとまっていても新しいものを生みません。かといって、目的すらばらばらでは船は進まない。目指す方向は共有し、そこに至る見方は違ってよいと認める。違いを抱えたまま同じ方を向く力が、組織の強さになります。

この一句を、あなたの毎日に。

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