易経 / 象伝
風自火出,家人;君子以言有物,而行有恒。
書き下し
風、火より出づるは、家人なり。君子以て言に物有り、而して行いに恒有り。
現代語訳
風が火から生じて外へ出ていく、これが家人の卦の形である。君子はこの形に学び、言葉には必ず中身を持たせ、行いには一貫した持続を持たせるのです。
解説
家人の卦は、離(火)の上に巽(風)がある形で、燃える火が熱を生み、その熱がおのずと風となって外へ広がっていく姿を表します。家庭という内なる火が整っていれば、その影響は自然に外へ及んでいく、という理です。ここから象伝は、言有物、行有恒という教えを導きます。言葉には必ず実質がともなうこと、行いには必ず継続がともなうこと。家の中は、うわべの言葉や一時の勢いが最も通用しない場所です。毎日顔を合わせる相手には、中身のない言葉も、続かない決意も、すべて見抜かれてしまいます。逆に言えば、そこで通用するものだけが本物なのです。会社や仕事も同じで、社員は社長の言葉そのものより、その言葉に中身があるか、そして言ったことを続けているかを見ています。理念を掲げるなら、その内実を語れること。方針を出したなら、翌月も同じことを言い続けること。内側の一貫性が、やがて外への影響力になります。
この章句が説くこと
家人言有物行有恒易経
関連する章句
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易経・家人卦周易 第三十七卦。離下巽上。易経。家人は、女の貞なるに利あり。初九、閑(ふせ)ぎて家を有(たも)つ、悔亡ぶ。六二、遂ぐる攸无く、中饋(ちゅうき)に在り、貞にして吉。九三、家人嗃嗃(かくかく)たり、悔厲(あや)ふけれども吉。婦子(ふし)嘻嘻(きき)たれば、終に吝。六四、家を富ます、大吉。九五、王有家に假(いた)る、恤ふる勿かれ、吉。上九、孚有りて威如たり、終に吉。彖に曰く、
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易経・家人卦閑ぎて家を有つとは、志未だ変ぜざればなり。六二の吉は、順にして以て巽(したが)へばなり。家人嗃嗃たるは、未だ失はざるなり。婦子嘻嘻たるは、家の節を失ふなり。家を富ます大吉とは、順にして位に在ればなり。王有家に假るとは、交々(こもごも)相愛するなり。威如の吉とは、身に反(かへ)るの謂ひなり。
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易経・象伝風に隨ふは巽なり、君子は以て命を申ねて事を行ふ。
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易経・象伝雷風は、恒なり。君子以て立ちて方を易(か)えず。
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易経・彖伝家人(かじん)は、女は位を内に正しくし、男は位を外に正しくす。男女正しきは、天地の大義なり。家人に厳君(げんくん)有り、父母の謂ひなり。父は父たり、子は子たり、兄は兄たり、弟は弟たり、夫は夫たり、婦は婦たりて、家道正し。家を正しくして天下定まる。
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