易経 / 象伝
明入地中,明夷;君子以蒞眾,用晦而明。
新字:明入地中,明夷;君子以莅衆,用晦而明。
書き下し
明、地中に入るは、明夷(めいい)なり。君子以て眾(しゅう)に蒞(のぞ)むに、晦(くら)きを用いて明らかなり。
現代語訳
光が地の中に沈み隠れてしまう、これが明夷の卦の形である。君子はこの形に学び、人々に臨むときには、あえて暗さを用いながら、その実は明らかであるのです。
解説
明夷の卦は、離(日)の上に坤(地)がある形で、太陽が地の下に沈み、光が傷つけられ覆い隠された姿を表します。夷とは、傷つくこと。正しい者が認められず、才ある者が押さえつけられる、暗い時代の卦です。そのような時に君子はどうするか。象伝は、用晦而明、暗さを用いて明らかであれ、と説きます。自分の聡明さをことさら見せびらかせば、かえって傷つけられる。だからあえて鈍いふりをし、光を内にたたえておく。しかし内側の見識は、決して曇らせないのです。この知恵は、組織の中でも生きます。すべてを見透かしているぞという顔で部下に臨めば、人は萎縮し、本当のことを言わなくなります。細かな粗をすべて指摘せず、知っていてもあえて泳がせ、大事なところだけを外さない。暗さを装う寛容さが、かえって人を育て、実情を見えるようにする。厳しい時代を生き抜く器量とは、そういうものです。
この章句が説くこと
明夷用晦而明易経象伝
関連する章句
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易経・彖伝明地中に入るは、明夷(めいい)なり。内は文明にして外は柔順、以て大難を蒙(こうむ)る、文王之を以てす。「艱(なや)みて貞しきに利ろし」とは、其の明を晦(くら)ますなり。内難ありて能く其の志を正しくす、箕子(きし)之を以てす。
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易経・明夷卦周易 第三十六卦。離下坤上。易経。明夷は、艱(なや)みて貞なるに利あり。初九、明夷(めいい)于(ここ)に飛び、其の翼を垂る。君子于に行き、三日食はず。往く攸(ところ)有れば、主人言(とが)むること有り。六二、明夷、左の股を夷(やぶ)らる。用て拯(すく)ふに馬壮んなれば、吉。九三、明夷于に南に狩りし、其の大首を得。疾(と)く貞にすべからず。六四、左の腹に入り、明夷の心を獲て、于に門庭を出づ。六五、箕子(きし)の明夷、貞に利あり。上六、明らかならずして晦(くら)し。初めは天に登り、后(のち)には地に入る。彖に曰く、
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易経・明夷卦君子于に行くとは、義として食はざるなり。六二の吉は、順にして則(のり)あるを以てなり。南狩の志は、乃ち大いに得るなり。左の腹に入るとは、心意を獲るなり。箕子の貞は、明息(や)むべからざるなり。初めは天に登るとは、四国を照らすなり。后には地に入るとは、則を失へばなり。
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易経・謙卦謙謙たる君子とは、卑くして以て自ら牧うなり。鳴謙す、貞にして吉とは、中心より得るなり。労謙する君子は、万民服するなり。利ろしからざる无し、謙を撝うとは、則に違わざるなり。用て侵伐するに利ろしとは、服せざるを征するなり。鳴謙すとは、志未だ得ざるなり。用て師を行るべし、邑国を征するなり。
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易経・象伝明、地上に出づるは、晉(しん)なり。君子以て自ら明德を昭(あき)らかにす。
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易経・象伝明、兩つながら作(おこ)るは、離なり。大人以て明を繼ぎて四方を照らす。
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