易経 / 象伝
明出地上,晉;君子以自昭明德。
新字:明出地上,晉;君子以自昭明徳。
書き下し
明、地上に出づるは、晉(しん)なり。君子以て自ら明德を昭(あき)らかにす。
現代語訳
太陽が地平線の上に昇り出る、これが晋の卦の形である。君子はこの形に学び、自らの内にある明らかな徳を、自分で磨いて輝かせるのです。
解説
晋の卦は、坤(地)の上に離(日)がある形で、朝日が地平線を離れて昇っていく姿を表します。晋とは、すすむこと。夜が明け、光が少しずつ大地を照らしはじめる、上昇と前進の時です。ただ象伝が説くのは、外に向かって出世せよ、ということではありません。自昭明德、すなわち自ら明徳を昭らかにする、と言います。太陽は誰かに照らしてもらって輝くのではなく、自ら光を発します。同じように人も、他人の評価によってではなく、自分で自分の徳を磨き、曇りを取り除くことによって明らかになっていくのだ、というのです。仕事や経営に引きつければ、地位が上がっていく時期こそ、この一句が効いてきます。昇進や事業拡大の局面で、人は外からどう見られるかに気を取られがちです。しかし本当に照らす力を持つには、内側の誠実さや見識を自分の手で磨くほかない。順調に伸びている時ほど、自らを省みる習慣が要ります。