易経 / 象伝
山下有火,賁;君子以明庶政,无敢折獄。
書き下し
山下に火有るは賁なり、君子は以て庶政を明らかにし、敢えて獄を折むること无し。
現代語訳
山のふもとに火があって山を照らし飾る、これが賁の形である。君子はこれにならい、もろもろの政務を明らかに処理するが、みだりに訴訟の裁断を下すことはしない。
解説
賁は下に火、上に山を置き、山のふもとの火が山肌を照らし、その姿を美しく浮かび上がらせる形です。賁とは飾ること、彩りを添えることを意味します。ただし火の光は近くのものを照らすだけで、山の奥まで届くわけではありません。だから象伝は、君子はこの光で日々のもろもろの政務を明らかに処理するが、訴訟の裁断まで軽々しく下してはならない、と釘を刺します。飾りの光で照らせる範囲には限りがあり、人の生死や運命を左右する判断には足りないというのです。この節度は今日にも通じます。見栄えのよい資料、整った言葉、きれいな数字。それらは日常の業務を進めるうえで確かに役立ちます。しかし人を評価し処分する場面では、表面の印象で決めてはなりません。飾りの効く場と、効かせてはならない場を見分けること。それが賁の教えです。
この章句が説くこと
賁明庶政装飾と実質易経
関連する章句
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易経・賁卦周易 第二十二卦。離下艮上。易経。賁は、亨る。小しく往く攸有るに利ろし。初九、其の趾を賁る、車を舎てて徒す。六二、其の須を賁る。九三、賁如たり濡如たり、永く貞なれば吉。六四、賁如たり皤如たり、白馬翰如たり、寇するに匪ず婚媾せんとす。六五、丘園を賁る、束帛戔戔たり、吝なれども終には吉。上九、白く賁る、咎无し。彖に曰く、
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易経・彖伝賁は亨る、柔来りて剛を文る、故に亨る。分かれて、剛上りて柔を文る、故に小しく往く攸有るに利ろし。剛柔交錯するは、天文なり。文明にして以て止まるは、人文なり。天文を観て、以て時の変を察し、人文を観て、以て天下を化成す。
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易経・賁卦車を舎てて徒すとは、義として乗らざるなり。其の須を賁るとは、上と与に興るなり。永く貞なるの吉は、終に之を陵ぐ莫きなり。六四は、位に当たりて疑うなり。寇するに匪ず婚媾せんとすとは、終に尤无きなり。六五の吉は、喜び有るなり。白く賁る、咎无しとは、上志を得るなり。
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易経・象伝雷電皆な至るは豐なり、君子は以て獄を折め刑を致す。
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易経・象伝山上に火有るは旅なり、君子は以て明慎に刑を用ひて、獄を留めず。
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易経・象伝地中に山有るは謙なり、君子は以て多きを裒め寡なきを益し、物を称りて施しを平らかにす。
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