易経 / 象伝
雷出地奮,豫;先王以作樂崇德,殷薦之上帝,以配祖考。
新字:雷出地奮,予;先王以作楽崇徳,殷薦之上帝,以配祖考。
書き下し
雷、地を出でて奮うは豫なり、先王は以て楽を作り徳を崇び、殷んに之を上帝に薦め、以て祖考に配す。
現代語訳
雷が大地から出て奮い立つ、これが豫の形である。先王はこれにならい、音楽を作って徳をたたえ、盛大にそれを天帝に捧げ、あわせて祖先を祀った。
解説
豫は下に地、上に雷を置き、冬のあいだ地中にひそんでいた雷気が春に地上へ出て、天地を震わせ奮い立たせる形です。万物がよろこび勇む、その気分が豫という卦の名になっています。象伝は、先王はこれにならって音楽を作り、徳をたたえ、天帝と祖先に捧げたといいます。雷の音が天地に響きわたるように、音楽もまた人の心を震わせて一つにする。よろこびを個人の気晴らしで終わらせず、感謝と敬いのかたちに整えて共有する、という発想です。組織でも、成果が出たときに何を祝い、誰に感謝を向けるかで、その後の空気が決まります。祝いの場を設け、支えてくれた人や先人の働きを言葉にする。喜びを正しく祀り上げることは、次の力を呼び起こす準備でもあります。豫はその節目の大切さを説いています。