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易経 / 彖伝

柔以時升,巽而順,剛中而應,是以大亨,“用見大人勿恤”,有慶也。“南征吉”,志行也。

新字:柔以時升,巽而順,剛中而応,是以大亨,“用見大人勿恤”,有慶也。“南征吉”,志行也。

書き下し

柔、時を以て升(のぼ)る。巽(そん)にして順、剛中にして応ず。是を以て大いに亨(とお)る。「用(もっ)て大人を見る、恤(うれ)うる勿(な)かれ」とは、慶(よろこ)びあるなり。「南征すれば吉」とは、志行わるるなり。

現代語訳

柔らかなものが、時に従って上へと昇っていく。へりくだって従順であり、剛が中を得て応じ合う。だからこそ大いに通じるのである。「これによって大人に会う、心配することはない」とは、喜ばしい結果があるからである。「南へ進めば吉」とは、志が実際に行われるからである。

解説

升は「のぼる」ことを表す卦です。地の中から木が芽を出し、少しずつ伸びていく姿にたとえられます。彖伝が「柔、時を以て升る」と述べるとおり、ここでの上昇は一足飛びの飛躍ではなく、時に従って積み重ねられる着実な成長です。支えとなるのは、へりくだって素直に従う姿勢と、中心となる者が中を得て応じ合う関係です。だから大いに通じ、大人に会うにも心配はいらず、南へ進めば志が実現すると説かれます。日々の仕事や経営に置きかえれば、実力や信用は一晩で伸びるものではありません。周囲に謙虚に学び、時期をわきまえ、日ごとの小さな前進を絶やさないこと。そうして伸びた力は途中で折れにくく、しかるべき人の引き立てにも自然につながっていきます。焦らず、しかし止まらずに昇る。それが升の教えです。

この章句が説くこと

升上昇易経彖伝着実

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