易経 / 彖伝
姤,遇也,柔遇剛也。勿用取女”,不可與長也。天地相遇,品物咸章也。剛遇中正,天下大行也。姤之時義大矣哉!
新字:姤,遇也,柔遇剛也。勿用取女”,不可与長也。天地相遇,品物咸章也。剛遇中正,天下大行也。姤之時義大矣哉!
書き下し
姤(こう)は、遇(ぐう)なり。柔の剛に遇(あ)うなり。「女を取(めと)るに用うる勿(なか)れ」とは、与(とも)に長かるべからざればなり。天地相遇いて、品物咸(ことごと)く章(あき)らかなり。剛、中正に遇いて、天下大いに行わる。姤の時義、大なるかな。
現代語訳
姤とは出会いである。柔(陰)が剛(陽)に出会うことをいう。「その女を娶ってはならない」とは、長く連れ添うことができない相手だからである。天と地とが出会うことで、あらゆるものが姿を現し明らかになる。剛が中正の位に出会えば、その道は天下に大いに行われる。姤という時の意味は、まことに大きいものである。
解説
姤は「思いがけず出会う」ことを表す卦です。五つの陽の下に、一つの陰がひそかに生じてきた形で、彖伝はこれを柔が剛に出会う姿だと説きます。出会いには二つの面があります。ひとつは警戒すべき出会いで、「その女を娶ってはならない」とは、長く共にする相手ではないという戒めです。小さく見える兆しが下から入り込むとき、それは軽く扱えないというわけです。もうひとつは恵みとしての出会いで、天と地が出会うからこそ万物は姿を現し、剛が中正の位と出会えばその道は天下に広く行われる、と述べられます。だからこそ姤の時の意味は大きい、と結ばれるのです。日々の仕事でも、偶然の出会いが流れを変えることがあります。誰と、どんな位置で出会うのか。安易に深入りせず、しかし正しい相手・正しい場との出会いは大切に育てる。この見極めこそ姤が教える知恵といえるでしょう。
この章句が説くこと
姤出会い易経彖伝兆し
関連する章句
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易経・象伝天の下に風有るは姤なり、后は以て命を施し四方に誥ぐ。
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