易経 / 彖伝
晉,進也,明出地上。順而麗乎大明,柔進而上行,是以“康侯用錫馬蕃庶,晝日三接”也。
新字:晉,進也,明出地上。順而麗乎大明,柔進而上行,是以“康侯用錫馬蕃庶,昼日三接”也。
書き下し
晋(しん)は、進むなり。明地上に出づ。順ひて大明に麗(つ)き、柔進みて上行す。是を以て「康侯用(もっ)て馬を錫(たま)はること蕃庶(はんしょ)にして、昼日に三たび接せらる」なり。
現代語訳
晋とは、進むことである。太陽の明るさが地上に昇り出る形をしている。柔順に従って大いなる明るさに寄り添い、柔らかな陰が進んで上へ昇ってゆく。だからこそ「国を安んずる諸侯が多くの馬を賜り、一日のうちに三度も天子に接見される」と言うのだ。
解説
晋の彖辞は、晋とは「進む」ことであり、その象は日が地の上に昇り出る姿だと説きます。下に大地を表す坤、上に太陽を表す離が置かれ、柔順な徳が大いなる明るさに寄り添いながら、静かに上へ上へと進んでゆく形です。だからこそ、国を安んじた諸侯が多くの馬を賜り、一日に三度も謁見を許されるほど厚く遇される、という卦辞につながります。ここで大切なのは、進むといっても力ずくで押し上がるのではないという点です。上にある明るさ、つまり道理や方向性の見えている働きに素直に従い、じわじわと歩を進める。仕事や経営でも、自分を誇示して席を奪いにいくより、目指すべき明るい方向に順い、成果を静かに積み重ねる人のほうが、結局は深く信頼され引き上げられていきます。