易経 / 彖伝
隨,剛來而下柔,動而説,隨。大亨貞無咎,而天下隨時,隨時之義大矣哉!
新字:随,剛来而下柔,動而説,随。大亨貞無咎,而天下随時,随時之義大矣哉!
書き下し
隨は、剛来りて柔に下る、動きて説ぶ、隨なり。大いに亨りて貞にして咎无し、而して天下時に隨う、時に隨うの義大なるかな。
現代語訳
隨とは、剛が来て柔の下にへりくだる。動いてよろこぶ。それが隨である。大いに通じ、正しくあれば咎めはない。そうして天下は時に随っていく。時に随うということの意義は、なんと大きいことか。
解説
隨は「随う」ことをあらわす卦です。まず目を引くのが「剛来りて柔に下る」の一句でしょう。強い者のほうが、柔らかい者の下にへりくだる。上に立つ側が先に身を低くするから、人は自然と付いていく。だから「動きて説ぶ」——動けばよろこびが生まれるのです。従わせようとして従わせるのではなく、まず自分が下りる。ここに随の本質があります。そして彖伝は最後を「時に隨うの義大なるかな」と結びます。人に随うことよりさらに深いのは、時に随うことだ、というのです。どんなに正しい方針でも、時に合わなければ通りません。逆に、時に合った動きは自然と多くを巻き込みます。誰かの意見に流されることと、時を読んで随うことは似て非なるものです。「大いに亨りて貞にして咎无し」——通じてなお正しさを保つ。随いながら芯を失わない構えが問われます。
この章句が説くこと
随時に随う剛来りて柔に下る率いる者の謙抑
関連する章句
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易経・隨卦周易 第十七卦。震下兌上。易経。随は、元いに亨る。貞しきに利ろし。咎无し。初九、官渝わる有り、貞にして吉。門を出でて交われば功有り。六二、小子に系りて、丈夫を失う。六三、丈夫に系りて、小子を失う。随いて求むる有れば得。貞に居るに利ろし。九四、随いて獲る有り、貞なれども凶。孚有りて道に在り、以て明らかなれば、何の咎かあらん。九五、嘉に孚あり、吉。上六、之を拘系し、乃ち従いて之を維ぐ。王用て西山に亨す。彖に曰く、
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易経・隨卦官渝わる有りとは、正に従えば吉なるなり。門を出でて交われば功有りとは、失わざるなり。小子に系るとは、兼ね与せざるなり。丈夫に系るとは、志下を舎つるなり。随いて獲る有りとは、其の義凶なるなり。孚有りて道に在りとは、明の功なり。嘉に孚あり、吉とは、位正中なればなり。之を拘系すとは、上窮まるなり。
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易経・象伝沢中に雷有るは随なり、君子は以て晦に嚮いて入りて宴息す。
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易経・彖伝柔、時を以て升(のぼ)る。巽(そん)にして順、剛中にして応ず。是を以て大いに亨(とお)る。「用(もっ)て大人を見る、恤(うれ)うる勿(な)かれ」とは、慶(よろこ)びあるなり。「南征すれば吉」とは、志行わるるなり。
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