易経 / 彖伝
“同人”,柔得位得中,而應乎乾,曰同人。同人曰:“同人於野,亨。利涉大川”,乾行也。文明以健,中正而應,君子正也。唯君子為能通天下之志。
新字:“同人”,柔得位得中,而応乎乾,曰同人。同人曰:“同人於野,亨。利渉大川”,乾行也。文明以健,中正而応,君子正也。唯君子為能通天下之志。
書き下し
「同人」は、柔位を得中を得て、乾に応ず、同人と曰う。同人に曰く、「人に同じくするに野に於いてす、亨る。大川を渉るに利ろし」とは、乾の行なればなり。文明にして以て健、中正にして応ず、君子の正なり。唯だ君子のみ能く天下の志を通ずるを為す。
現代語訳
「同人」とは、柔がふさわしい位を得、中を得て、乾に呼応する。だから同人という。同人にいう、「人と志を同じくするのに、広々とした野において行う。通じる。大河を渡るのがよい」とは、乾の力による行いだからである。文かに明らかでありながら健やかであり、中正であって呼応し合う。これが君子の正しさである。ただ君子だけが、天下の人々の志を通わせることができるのである。
解説
同人は「人と志を同じくする」、仲間をつくることをあらわす卦です。要は「人に同じくするに野に於いてす」の一句でしょう。野とは、都から遠く離れた開けた場所のこと。身内の狭い部屋の中ではなく、広々としたところで人と交わるからこそ通じるのだ、という読みです。仲良しの内輪で固まるのは同人ではありません。誰にでも開かれた場で、公明正大に志を共にする。だからこそ「大川を渉るに利ろし」——大きな困難にも共に立ち向かえる。さらに「文明にして以て健」、明るく筋が通っていて、しかも力強い。「中正にして応ず」、偏らずに応じ合う。そして結びが印象的です。「唯だ君子のみ能く天下の志を通ずるを為す」——私心のない人だけが、多くの人の志を一つに通わせることができる。仲間を集めたいなら、まず自分の集め方が開かれているかを問い直すことです。