伝習録 / 黄以方録
「心不是一塊血肉,凡知覺處便是心。如耳目之知視聽,手足之知痛癢,此知覺便是心也。」
新字:「心不是一塊血肉,凡知覚処便是心。如耳目之知視聴,手足之知痛癢,此知覚便是心也。」
書き下し
「心は是れ一塊の血肉にあらず。凡そ知覚する処、便ち是れ心なり。耳目の視聴を知り、手足の痛痒を知るが如し。此の知覚、便ち是れ心なり」と。
現代語訳
「心は一塊の血肉ではない。知覚する所が心だ。耳目が視聴を知り、手足が痛みや痒みを知るように。この知覚が心だ」。
解説
「心」とは、特定の場所にあるものではなく、私たちが何かを感じ、認識するその働きそのものです。例えば、美しい景色を見て感動したり、誰かの言葉に心を動かされたり、あるいは日々の仕事で課題に直面し、解決策を考えたりする。そうした一つひとつの知覚や思考の瞬間に、私たちの心は確かに存在し、働いています。心は、私たちのあらゆる経験や学びの源であり、常に変化し、成長し続ける動的な存在なのです。
この章句が説くこと
心不是一塊血肉凡知覚処便是心