伝習録 / 黄省曾録
先生曰:「『先天而天弗違』,天即良知也。『後天而奉天時』,良知即天也。」
書き下し
先生曰く、「『天に先んじて天も違わず』、天は即ち良知なり。『天に後れて天の時を奉ず』、良知は即ち天なり」と。
現代語訳
先生は言われた。「『天に先んじても天は違わない』、天が良知だ。『天に後れて天の時を奉じる』、良知が天だ」。
解説
私たちは、時に「こうすべきだ」という世間の常識や、過去の経験に縛られがちです。しかし、この一節は、あなたの心の奥底にある「良知」、つまり生まれながらにして持っている正しい判断力や誠実さこそが、最も信頼できる指針だと教えてくれます。その良知に従って行動すれば、たとえそれが世間の流れに逆らうように見えても、結果的には自然の摂理にかなった道となるでしょう。自分の内なる声に耳を傾け、それに従って生きることが、最も自然で無理のない生き方なのです。
この章句が説くこと
先天而天弗違天即良知也後天而奉天時良知即天也