伝習録 / 黄修易録
先生曰:「凡朋友問難,縱有淺近粗疏,或露才揚己,皆是病發。當因其病而藥之可也,不可便懷鄙薄之心,非君子與人為善之心矣。」
新字:先生曰:「凡朋友問難,縦有浅近粗疏,或露才揚己,皆是病発。当因其病而薬之可也,不可便懐鄙薄之心,非君子与人為善之心矣。」
書き下し
先生曰く、「凡そ朋友の問難、縦(たと)い浅近粗疎、或いは才を露わし己を揚ぐる有るも、皆な是れ病の発なり。当に其の病に因りて之を薬すべくして可なり。便ち鄙薄の心を懐くべからず。君子の人と善を為すの心に非ざるなり」と。
現代語訳
先生は言われた。「友人の問いや論難が、たとえ浅く粗く、才を見せびらかし自分を誇るものであっても、みな病が発したものだ。その病に応じて薬を与えればよい。見下す心を抱いてはならない。君子が人と共に善を為す心ではない」。
解説
才をひけらかすような質問を、不快な態度としてではなく、病の症状として見ます。症状には、その病に応じた薬を与えればよい。相手を見下す心が起きた時点で、こちらもまた病んでいる。人と共に善を為す心から、外れてしまうのです。
この章句が説くこと
皆是病発当因其病而薬之可也不可便懐鄙薄之心