伝習録 / 陳九川録
又曰:「知來本無知,覺來本無覺,然不知則遂淪埋。」
新字:又曰:「知来本無知,覚来本無覚,然不知則遂淪埋。」
書き下し
又た曰く、「知り来たるも本と知無く、覚り来たるも本と覚無し。然れども知らずんば則ち遂に淪埋せん」と。
現代語訳
また言われた。「知ったといっても、もともと知はなく、覚ったといっても、もともと覚はない。しかし知らなければ、そのまま埋もれてしまう」。
解説
私たちは「知る」「覚る」という行為を、何かを新たに獲得することだと考えがちです。しかし、この一節は、それらがもともと自分の中に備わっているものだと示唆します。まるで、ずっとそこにあった宝物に、ようやく気づくようなものです。大切なのは、その存在に気づき、意識を向けること。もし気づかなければ、その宝は埋もれたままになってしまうでしょう。日々の忙しさの中で、自分自身の内側にある大切なものに目を向ける時間を持つことの重要性を教えてくれます。
この章句が説くこと
知来本無知覚来本無覚然不知則遂淪埋