伝習録 / 訓蒙大意
凡吾所以教,其意實在於此,恐時俗不察,視以為迂,且吾亦將去,故特叮嚀以告。爾諸教讀,其務體吾意,永以為訓,毋輒因時俗之言,改廢其繩墨,庶成「蒙以養正」之功矣,念之念之!
新字:凡吾所以教,其意実在於此,恐時俗不察,視以為迂,且吾亦将去,故特叮嚀以告。爾諸教読,其務体吾意,永以為訓,毋輒因時俗之言,改廃其縄墨,庶成「蒙以養正」之功矣,念之念之!
書き下し
凡そ吾の教うる所以、其の意は実に此に在り。恐らくは時俗、察せずして、視て以て迂と為さん。且つ吾も亦た将に去らんとす。故に特に叮嚀に以て告ぐ。爾(なんじ)諸々の教読、其れ務めて吾が意を体し、永く以て訓と為せ。輒ち時俗の言に因りて、其の縄墨を改廃する毋かれ。庶(こいねが)わくは「蒙以て正を養う」の功を成さんことを。之を念え、之を念え。
現代語訳
私が教える意図は、実にここにある。世間は察せず、迂遠だと見るだろう。私もまた去ろうとしている。だから特に念を入れて告げる。教える諸君は、努めて私の意を体し、永く教えとせよ。世間の言葉によって、この基準を改め廃してはならない。「蒙昧なうちに正しさを養う」功を成してほしい。心せよ、心せよ。
解説
効率や即効性が求められる現代において、本質的な教えは「迂遠だ」と見なされがちです。しかし、この一節は、そのような世間の声に惑わされず、確立された基準を守り続けることの重要性を強調します。目先の成果に囚われず、長期的な視点で人を育むための「遠回りに見える」努力こそが、真の価値を生むのです。流行に流されず、自分の信じる本質的な価値観を貫く勇気を持つことが、確かな土台を築く上で不可欠です。
この章句が説くこと
毋輒因時俗之言改廃其縄墨習慣
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