伝習録 / 訓蒙大意
大抵童子之情,樂嬉遊而憚拘檢,如草木之始萌芽,舒暢之則條達,摧撓之則衰痿;今教童子必使其趨向鼓舞,中心喜悅,則其進自不能已:譬之時雨春風,霑被卉木,莫不萌動發越,自然日長月化;若冰霜剝落,則生意蕭索,日就枯槁矣。
新字:大抵童子之情,楽嬉遊而憚拘検,如草木之始萌芽,舒暢之則条達,摧撓之則衰痿;今教童子必使其趨向鼓舞,中心喜悦,則其進自不能已:譬之時雨春風,霑被卉木,莫不萌動発越,自然日長月化;若冰霜剥落,則生意蕭索,日就枯槁矣。
書き下し
大抵、童子の情は、嬉遊を楽しみて拘検を憚る。草木の始めて萌芽するが如し。之を舒暢すれば則ち条達し、之を摧撓すれば則ち衰痿す。今、童子を教うるに必ず其の趨向鼓舞し、中心喜悦せしめば、則ち其の進むこと自ら已む能わず。之を時雨春風の、卉木を霑被すれば、萌動発越せざる莫く、自然に日に長じ月に化するに譬う。若し冰霜剝落せば、則ち生意は蕭索として、日に枯槁に就かん。
現代語訳
だいたい、子どもの情は遊びを楽しみ、束縛を嫌う。草木が芽生え始めるようなものだ。伸びやかにすれば枝が伸び、押し曲げれば萎える。今、子どもを教えるのに、心が向かい奮い立ち、内心から喜べば、進むのを止められない。時に降る雨と春風が草木を潤せば、みな芽吹き伸びて、自然に日々成長するようなものだ。もし氷や霜が剝ぎ落とせば、生気は寂れ、日々枯れていく。
解説
人は誰しも、生まれ持った性質や傾向があります。この一節は、子どもの遊び好きで束縛を嫌う性質を、草木が芽生えるような自然なものと捉え、それを無理に矯正するのではなく、伸び伸びと育てることが大切だと説きます。もし、その本質を抑えつけようとすれば、かえって萎縮させてしまうでしょう。教育や育成は、相手の特性を理解し、その成長を促すような環境を整えることから始まります。それぞれの個性を尊重し、伸びる方向へ導く視点を持ってみましょう。
この章句が説くこと
舒暢之則条達摧撓之則衰痿教育
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