伝習録 / 薛侃録
問:「上智下愚如何不可移?」先生曰:「不是不可移,只是不肯移。」
書き下し
問う、「上智・下愚は如何ぞ移すべからざるか」と。先生曰く、「是れ移すべからざるに非ず。只だ是れ移るを肯んぜざるなり」と。
現代語訳
尋ねた。「最上の知者と最下の愚者は、なぜ移せないのですか」。先生は言った。「移せないのではない。ただ、移ろうとしないのだ」。
解説
きわめて短い一条ですが、決定的です。変われないのではない。変わろうとしないだけ。「移せない」という言葉が、変わらない口実として使われてきた。それを、一言で断ち切ります。
この章句が説くこと
不是不可移只是不肯移