伝習録 / 陸澄録
「至善者,性也;性元無一毫之惡,故曰『至善』。止之,是復其本然而已。」
新字:「至善者,性也;性元無一毫之悪,故曰『至善』。止之,是復其本然而已。」
書き下し
「至善なる者は、性なり。性は元より一毫の悪無し。故に『至善』と曰う。之に止まるは、是れ其の本然に復するのみ」。
現代語訳
「至善とは、性である。性にはもともと一毛ほどの悪もない。だから『至善』という。そこに止まるとは、その本然に立ち返ることにすぎない」。
解説
私たちは、何かを成し遂げようとするとき、遠くの目標ばかりに目を向けがちです。しかし、この一節は、本当に大切なことは、すでに自分の中に備わっている「至善」という純粋な本質に立ち返るだけだと教えてくれます。それは、新しい何かを付け加えるのではなく、余計なものを手放し、本来の自分を取り戻すような感覚です。日々の忙しさの中で見失いがちな心の原点に立ち返ることで、迷いや不安が晴れ、本来の力が発揮できるでしょう。
この章句が説くこと
至善者性也性元無一毫之悪止之是復其本然而已