伝習録 / 陸澄録
「自『格物』、『致知』至『平天下』,只是一個『明明德』,雖『親民』亦『明德』事也。『明德』是此心之德,即是仁。仁者以天地萬物為一體,使有一物失所,便是吾仁有未盡處。」
新字:「自『格物』、『致知』至『平天下』,只是一個『明明徳』,雖『親民』亦『明徳』事也。『明徳』是此心之徳,即是仁。仁者以天地万物為一体,使有一物失所,便是吾仁有未尽処。」
書き下し
「『格物』『致知』より『天下を平らかにす』に至るまで、只だ是れ一個の『明徳を明らかにす』なり。『民に親しむ』と雖も亦た『明徳』の事なり。『明徳』は是れ此の心の徳なり。即ち是れ仁なり。仁者は天地万物を以て一体と為す。一物の所を失う有らしめば、便ち是れ吾が仁に未だ尽くさざる処有るなり」。
現代語訳
「『格物』『致知』から『天下を平らかにする』に至るまで、ただ一つの『明徳を明らかにする』ことだ。『民に親しむ』も『明徳』の事だ。『明徳』は、この心の徳であり、仁だ。仁者は天地万物を一体とする。一つの物でも所を失えば、それは自分の仁がまだ尽くされていない所があるということだ」。
解説
「一つの物でも所を失えば、自分の仁がまだ尽くされていない」。責任範囲が、天地万物にまで広がります。誰かが苦しんでいれば、それは自分の欠けなのです。他人事という領域が、存在しなくなる。
この章句が説くこと
仁者以天地万物為一体使有一物失所便是吾仁有未尽処