伝習録 / 陸澄録
問:「『知止』者,知至善只在吾心,元不在外也,而後志定?」曰:「然。」
書き下し
問う、「『止まるを知る』とは、至善は只だ吾が心に在り、元より外に在らざるを知りて、而して後に志定まるか」と。曰く、「然り」と。
現代語訳
尋ねた。「『止まるところを知る』とは、至善はただ自分の心にあり、もとから外にはないと知って、その後に志が定まるということですか」。先生は言った。「そうだ」。
解説
真の善が自分の心の中にあり、外の世界に探し求めるものではないと理解した時、私たちの志は初めて定まります。外に答えを求め続ける限り、心は常に揺れ動き、本当に目指すべき方向を見失いがちです。しかし、心の内にこそ最高の善があることを知れば、外への探求をやめ、自分の内面と向き合うことで、確固たる目標や信念を持つことができるでしょう。これは、自己の軸を確立するための重要な視点です。
この章句が説くこと
知至善只在吾心元不在外也而後志定