伝習録 / 陸澄録
「心外無物。如吾心發一念孝親,即孝親便是物。」
新字:「心外無物。如吾心発一念孝親,即孝親便是物。」
書き下し
「心外に物無し。吾が心、一念の孝親を発するが如きは、即ち孝親は便ち是れ物なり」。
現代語訳
「心の外に物はない。私の心が親に孝行しようという一念を発すれば、その孝行が、すなわち物である」。
解説
私たちは、外の世界に「物」が存在すると考えがちですが、この教えは、私たちの心が何かを意識し、意図した瞬間に、それが「物」として立ち現れると説きます。例えば、親に孝行しようという気持ちが心に芽生えた時、その「孝行」という行為が、まさに「物」となるのです。つまり、世界は私たちの意識や意図によって形作られ、心の外に独立した「物」は存在しないという見方は、日々の行動や選択の源が自分自身にあることを教えてくれます。
この章句が説くこと
心外無物如吾心発一念孝親即孝親便是物