伝習録 / 陸澄録
「《易》之辭,是『初九,潛龍勿用』六字;《易》之象,是初畫;《易》之變,是值其畫;《易》之占,是用其辭。」
新字:「《易》之辞,是『初九,潜竜勿用』六字;《易》之象,是初画;《易》之変,是値其画;《易》之占,是用其辞。」
書き下し
「『易』の辞は、是れ『初九、潜竜用うる勿かれ』の六字なり。『易』の象は、是れ初画なり。『易』の変は、是れ其の画に値(あ)うなり。『易』の占は、是れ其の辞を用うるなり」。
現代語訳
「『易』の辞とは、『初九、潜龍は用いるな』という六字である。『易』の象とは、初めの画である。『易』の変とは、その画に当たることである。『易』の占とは、その辞を用いることである」。
解説
易の四つの要素を簡潔に整理した一節です。複雑に見える物事も、その構成要素に分解して捉えることで、本質が見えてきます。例えば、仕事で直面する大きな課題も、言葉、形、変化、そしてそれらをどう活用するか、といった要素に分解して考えることで、解決への糸口が見つかることがあります。難解に思える状況でも、その構造をシンプルに捉え直すことで、より明確な理解と対処が可能になるでしょう。
この章句が説くこと
易之辞是初九潜竜勿用六字易之象是初画
関連する章句
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易経・繋辞上是の故に、夫れ象は、聖人以て天下の賾(さく)を見る有り、而して諸を其の形容に擬し、其の物宜に象る。是の故に之を象と謂う。聖人以て天下の動を見る有り、而して其の会通を観て、以て其の典礼を行う。辞を繋けて、以て其の吉凶を断ず。是の故に之を爻と謂う。天下の賾を極むる者は、卦に存す。天下の動を鼓する者は、辞に存す。化して之を裁するは、変に存す。推して之を行うは、通に存す。神にして之を明らかにするは、其の人に存す。黙して之を成し、言わずして信あるは、徳行に存す。
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『近思録』巻3 致知「易に聖人の道四つ有り。以て言ふ者は其の辞を尚び、以て動く者は其の変を尚び、以て器を制する者は其の象を尚び、以て卜筮する者は其の占を尚ぶ」。吉凶消長の理、進退存亡の道は、辞に備はる。辞を推し卦を考ふれば、以て変を知るべし。象と占とは其の中に在り。「君子居れば則ち其の象を観て其の辞を玩び、動けば則ち其の変を観て其の占を玩ぶ」。辞に得て其の意に達せざる者は之有り、未だ辞に得ずして能く其の意に通ずる者有らざるなり。至微なる者は理なり、至著なる者は象なり。体用一源、顕微無間なり。「会通を観て以て其の典礼を行ふ」ときは、則ち辞備はらざる所無し。故に善く学ぶ者は言を求むること必ず近きよりす。近きを易る者は、言を知る者に非ざるなり。予の伝ふる所の者は辞なり。辞に由りて以て意を得るは、則ち人に在り。伊川先生張閎中に答ふる書に曰く、易伝未だ伝へざるは、自ら精力の未だ衰へざるを量り、尚ほ少しく進む有らんことを覬(こひねが)ふのみ。来書に云ふ、「易の義は本数より起こる」と。義数より起こると謂ふは則ち非なり。理有りて後に象有り、象有りて後に数有り。易は象に因りて以て理を明らかにし、象に由りて以て数を知る。其の義を得れば則ち象数其の中に在り。必ず象の隠微を窮め、数の毫忽を尽くさんと欲するは、乃ち流れを尋ねて末を逐ふなり。術家の尚ぶ所にして、儒者の務むる所に非ざるなり。時を知り勢を識るは、易を学ぶの大方なり。大畜の初二は、乾体剛健なるも、以て進むに足らず。四五は陰柔にして能く止む。時の盛衰、勢の強弱は、易を学ぶ者の宜しく深く識るべき所なり。諸卦の二五は、位に当たらずと雖も、多く中を以て美と為す。三四は位に当たると雖も、或いは中ならざるを以て過ちと為す。中は常に正より重し。蓋し中なれば則ち正に違はず、正は必ずしも中ならず。天下の理は中より善きは莫し、九二六五に於て見るべし。問ふ、胡先生九四を解して太子と作す、恐らくは是れ卦の義にあらざらん。
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