中庸
其次致曲。曲能有誠,誠則形,形則著,著則明,明則動,動則變,變則化。唯天下至誠為能化。
新字:其次致曲。曲能有誠,誠則形,形則著,著則明,明則動,動則変,変則化。唯天下至誠為能化。
書き下し
其の次は曲を致す。曲も能く誠有り。誠なれば則ち形(あらわ)れ、形るれば則ち著(いちじる)しく、著しければ則ち明らかに、明らかなれば則ち動き、動けば則ち変じ、変ずれば則ち化す。唯だ天下の至誠のみ能く化を為す。
現代語訳
至誠の聖人に次ぐ者は、部分的なところから誠を尽くしていく。部分的なことであっても、そこに誠を込めることはできる。誠があれば、それは形になって現れる。形になれば、はっきりと目立ってくる。目立ってくれば、明らかになる。明らかになれば、人を動かす。人が動けば、変わり始める。変わり始めれば、やがてすっかり生まれ変わる。ただ天下の至誠だけが、人を根本から変えることができるのである。
解説
前段が聖人の話だったのに対し、こちらは私たち凡人のための道筋です。「其の次は曲を致す」、つまり全体をいきなり完璧にはできないから、まず一部分に誠を尽くせと言います。そこから、形になる、目立つ、明らかになる、人が動く、変わる、生まれ変わる、という七段階の連鎖が起こる。小さな誠実さが、やがて周囲を変えていくプロセスが克明に描かれています。ここで大切なのは、最初の一歩が「部分」でよいということです。会社全体を変えようと構えると動けませんが、目の前の一つの業務、一人の顧客に誠を尽くすことならできます。そこから連鎖は必ず始まります。凡人が世界を変える唯一の方法が、ここに書かれています。
この章句が説くこと
致曲部分から始める誠の連鎖凡人の道誠意信頼
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