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呂氏春秋 / 當賞②

晉文公反國,賞從亡者,而陶狐不與。左右曰:「君反國家,爵祿三出,而陶狐不與。敢問其說。」文公曰:「輔我以義、導我以禮者,吾以為上賞。教我以善、彊我以賢者,吾以為次賞。拂吾所欲、數舉吾過者,吾以為末賞。三者所以賞有功之臣也。若賞唐國之勞徒,則陶狐將為首矣。」周內史興聞之曰:「晉公其霸乎!昔者聖王先德而後力,晉公其當之矣。」

新字:晉文公反国,賞従亡者,而陶狐不与。左右曰:「君反国家,爵祿三出,而陶狐不与。敢問其説。」文公曰:「輔我以義、導我以礼者,吾以為上賞。教我以善、彊我以賢者,吾以為次賞。払吾所欲、数舉吾過者,吾以為末賞。三者所以賞有功之臣也。若賞唐国之労徒,則陶狐将為首矣。」周內史興聞之曰:「晉公其覇乎!昔者聖王先徳而後力,晉公其当之矣。」

書き下し

晉の文公、國に反り、亡に從える者を賞す、而るに陶狐與らず。左右曰く、「君、國家に反りて、爵祿三たび出だす。而るに陶狐與らず。敢て其の說を問う。」文公曰く、「我を輔くるに義を以てし、我を導くに禮を以てする者は、吾以て上賞と為す。我を教うるに善を以てし、我に彊うるに賢を以てする者は、吾以て次賞と為す。吾が欲する所に拂り、數々吾が過ちを舉ぐる者は、吾以て末賞と為す。三者は功有るの臣を賞する所以なり。若し唐國の勞徒を賞せば、則ち陶狐將に首為らんとす。」周の內史興、之を聞きて曰く、「晉公は其れ霸たらんか。昔者、聖王は德を先にして力を後にす。晉公は其れ之に當たれり。」

現代語訳

晋の文公が帰国して、亡命に付き従った者を賞したが、陶狐は与らなかった。側近が言った、「君は帰国して三度も爵禄を与えました。それでも陶狐は与っていません。その理由をお尋ねします」。文公は言った、「私を義で輔け、礼で導いた者を、私は上賞とする。善を教え、賢によって私を励ました者を、次賞とする。私の望みに逆らい、しばしば私の過ちを指摘した者を、末賞とする。この三者は功ある臣を賞するものだ。もし単なる労役に従った者を賞するなら、陶狐が筆頭になろう」。周の内史興はこれを聞いて言った、「晋公は覇者となるだろう。昔、聖王は徳を先にし力を後にした。晋公はまさにこれにかなっている」。

解説

この段は、晋の文公が亡命に従った臣を賞するにあたり、義や礼で輔けた者を上、善や賢で励ました者を次、諫言した者を末とし、単なる労役の者は後回しにした基準を示す逸話です。徳による貢献を力による貢献より上位に置いた点を、周の内史興は覇者の資質と評します。背景には、徳を先に力を後にするという聖王の統治観があります。現代の組織でも、目立つ実務や汗の量だけでなく、方向性を正した助言や理念面の貢献をどう評価するかが問われます。何を上位に報いるかがメンバーの価値観を形づくる、という報奨設計の本質を教えてくれます。

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