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呂氏春秋 / 無義⑤

公孫竭與陰君之事,而反告之樗里相國,以仕秦五大夫,功非不大也,然而不得入三都,又況乎無此其功而有行乎?

新字:公孫竭与陰君之事,而反告之樗里相国,以仕秦五大夫,功非不大也,然而不得入三都,又況乎無此其功而有行乎?

書き下し

公孫竭、陰君の事に與って、反って之を樗里相國に告げて、以て秦に仕えて五大夫たり。功は大ならざるに非ざるなり。然れども三都に入るを得ず。又況んや此の功無くして其の行い有るをや。

現代語訳

公孫竭は陰君の企てに加わっていながら、かえってそれを樗里相国に密告し、その功で秦に仕えて五大夫となった。その功は決して小さくはなかった。それでも彼は趙・衛・魏の三国に入ることができなかった。まして、このような功もないのにこうした裏切りの行いだけがある者は、なおさら受け入れられないのである。

解説

公孫竭が、自分も加担していた陰君の企てを樗里相国に密告し、その功で秦の五大夫となった例を挙げる一段です。密告の功績は小さくなかったにもかかわらず、彼は趙・衛・魏の三国に受け入れられませんでした。呂氏春秋は、これほどの功があってさえ裏切り者は各地で拒まれるのだから、まして功もなく不義の行いだけがある者はなおのこと受け入れられないと論じます。前段の続経の話と同様、戦国期に横行した保身のための密告や寝返りを厳しく批判する趣旨です。仲間を売って得た地位は、たとえ功績を伴っても人々の信用を得られないという指摘は、信義を欠いた成功が結局は社会から排除されることを示し、この篇「無義」全体の主題を締めくくっています。

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