呂氏春秋 / 召類①
類同相召,氣同則合,聲比則應。故鼓宮而宮應,鼓角而角動;以龍致雨,以形逐影。禍福之所自來,眾人以為命,焉不知其所由。故國亂非獨亂,有必召寇。獨亂未必亡也,召寇則無以存矣。
新字:類同相召,気同則合,声比則応。故鼓宮而宮応,鼓角而角動;以竜致雨,以形逐影。禍福之所自来,眾人以為命,焉不知其所由。故国乱非独乱,有必召寇。独乱未必亡也,召寇則無以存矣。
書き下し
類同じければ相召き、氣同じければ則ち合し、聲比すれば則ち應ず。故に宮を鼓すれば宮應じ、角を鼓すれば角動く。龍を以て雨を致し、形を以て影を逐う。禍福の自りて來たる所、衆人以て命と為す、焉ぞ其の由る所を知らざる。故に國の亂るるは獨り亂るるのみに非ず、有た必ず寇を召く。獨り亂るるは未だ必ずしも亡びざるなり。寇を召けば則ち以て存する無し。
現代語訳
同類は互いに呼び合い、気が同じなら合し、声が調和すれば応じる。だから宮の音を鳴らせば宮が応じ、角の音を鳴らせば角が動く。龍の形で雨を呼び、形によって影を従える。禍福がどこから来るかを、多くの人は運命と考え、その由来を知らない。だから国が乱れるのはただ乱れるだけでなく、必ず外敵を招く。ただ乱れるだけならまだ必ずしも滅びないが、外敵を招けば存続する手立てはない。
解説
篇の総論で「類は類を呼ぶ」という感応の理を説きます。要点は、同種のものは互いに呼応するという法則を人事に及ぼし、国内の乱れは必ず外敵を招き寄せると警告する点にあります。背景に、音律の共鳴や龍と雨といった当時の感応思想があります。禍福を単なる運命と片づけず、その原因を自らの状態に求める視点が核心です。内部の乱れが外部の脅威を引き寄せるという因果は、組織の綻びが外圧を招くという現代のリスク論にも通じ、まず内を正すことの大切さを教えます。