呂氏春秋 / 本味①
求之其本,經旬必得;求之其末,勞而無功。功名之立,由事之本也,得賢之化也。非賢其孰知乎事化?故曰其本在得賢。
新字:求之其本,経旬必得;求之其末,労而無功。功名之立,由事之本也,得賢之化也。非賢其孰知乎事化?故曰其本在得賢。
書き下し
之を其の本に求むれば、旬を經て必ず得。之を其の末に求むれば、勞して功無し。功名の立つは、事の本に由ればなり、賢の化を得ればなり。賢に非ざれば、其れ孰か事の化を知らん。故に曰く、其の本は賢を得るに在りと。
現代語訳
物事をその根本に求めれば、十日もすれば必ず得られる。末端に求めれば、苦労しても成果がない。功名が立つのは事の根本によるからであり、賢者の感化を得るからである。賢者でなければ、いったい誰が物事の変化を見通せよう。だから言う、その根本は賢者を得ることにある、と。
解説
本篇の主題である、賢者を得ることこそ功名の根本だという命題を提示します。背景には、事業の成否を制度や労力より人材に帰する呂氏春秋の人材登用論があり、以下の伊尹の物語への導入となっています。根本に立ち返れば早く成り、末に走れば徒労に終わるという対比が明快です。現代の組織運営でも、施策の細部より適切な人を得ることが成果を左右するという洞察は普遍的で、採用や登用を最重要課題と位置づける経営観に通じます。