呂氏春秋 / 仲冬⑤
是月也,可以罷官之無事者,去器之無用者。塗闕庭門閭,築囹圄,此所以助天地之閉藏也。
新字:是月也,可以罷官之無事者,去器之無用者。塗闕庭門閭,築囹圄,此所以助天地之閉蔵也。
書き下し
是の月や、以て官の事無き者を罷め、器の用無き者を去り、闕庭門閭を塗り、囹圄を築く可し。此れ天地の閉藏を助くる所以なり。
現代語訳
この月には、仕事のない役職を廃止し、役に立たない器物を取り除き、宮門の前庭や門・入口の壁を塗り固め、牢獄を築き整えるのがよいです。これらはみな、天地が万物を閉じ蔵する働きを助ける行いです。
解説
この段は仲冬に行うべき整理と施設整備を簡潔に述べています。要点は、無用な官職や器物を除き、門や牢獄を塗り固めて閉ざすことで、天地の閉蔵の働きに人の営みを合わせるということです。背景には、季節の気に人事を対応させる月令の思想があり、冬は締めくくり整える時期とされました。不要なものを削ぎ落とし守りを固めるという発想は、年末の棚卸しや組織のスリム化、リスクへの備えといった現代の実務にも通じ、季節に応じてやるべき仕事を定める時間割の知恵として読めます。