呂氏春秋 / 仲秋③
是月也,乃命宰祝,巡行犧牲:視全具;案芻豢;瞻肥瘠,察物色,必比類;量小大,視長短,皆中度。五者備當,上帝其◇◇享。天子乃儺,禦佐疾,以通秋氣。以犬嘗麻,先祭寢廟。
新字:是月也,乃命宰祝,巡行犠牲:視全具;案芻豢;瞻肥瘠,察物色,必比類;量小大,視長短,皆中度。五者備当,上帝其◇◇享。天子乃儺,禦佐疾,以通秋気。以犬嘗麻,先祭寝廟。
書き下し
是の月や、乃ち宰祝に命じて、犠牲を巡行せしむ。全具を視、芻豢を案じ、肥瘠を瞻、物色を察し、必ず比類して、大小を量り、長短を視、皆度に中らしむ。五つの者備に當りて、上帝其れ享く。天子乃ち儺して、佐疾を禦ぎ、以て秋氣を通ず。犬を以て麻を嘗め、先づ寢廟を祭る。
現代語訳
この月には宰祝に命じて、いけにえを見回らせる。体が完全にそろっているかを見、草食・穀食の家畜を調べ、肥え痩せを見、毛色を観察して必ず種類ごとに比べ、大小を量り長短を見て、すべて基準に合わせる。この五つがみな適正であれば、上帝もそれを享ける。天子は儺(おにやらい)を行って病気の気を防ぎ、秋の気を通わせる。犬肉を添えて麻の実を味わい、まず祖先の霊廟に供える。
解説
この段は、天への供物となるいけにえの点検基準と、疫病を祓う儺の儀礼を述べます。祭祀では犠牲の体の完全さ・毛色・大きさまで厳しく基準化され、五つの条件がすべてそろってはじめて上帝が受け入れると考えられました。儺は季節の変わり目に病気の気を祓う行事です。供えるものの品質を厳格に管理する姿勢は、品質基準や検品の考え方に、また儺は季節の節目に体調を整え環境を清める習慣に通じ、祭祀と実用が結びついた古代の暮らしを映しています。