呂氏春秋 / 季夏②
是月也,令漁師伐蛟取鼉,升龜取黿。乃命虞人入材葦。
書き下し
是の月や、漁師をして蛟を伐ち鼉を取り、龜を升め黿を取らしむ。乃ち虞人に命じて材葦を入れしむ。
現代語訳
この月には、漁師に命じて蛟(さめ)を捕らえ鼉(わに)を取り、亀を献じ黿(あおうみがめ)を取らせる。そして虞人(山林の官)に命じて、材木や葦を取り入れさせる。
解説
この段では、季夏の月に行うべき具体的な生産・調達の指示が述べられます。水の生き物を捕らえる漁師、山林の資材を管理する虞人に、それぞれ職掌に応じた作業を命じています。古代の月令では、季節ごとに自然の恵みを過不足なく利用し、必要な資材を計画的に確保することが政治の務めとされました。むやみな乱獲や無秩序な伐採ではなく、時に応じて採るという発想がここにあります。役割ごとに担当者を定め、季節に合わせて資源を計画的に集めるこの考え方は、持続可能な資源管理やサプライチェーンの運営を考える現代にも示唆を与えます。