呂氏春秋 / 古樂⑨
命之曰大章,以祭上帝。舜立,(仰)〔命〕延乃拌瞽叟之所為瑟,益之八弦,以為二十三弦之瑟。帝舜乃令質修《九招》、《六列》、《六英》,以明帝德。
新字:命之曰大章,以祭上帝。舜立,(仰)〔命〕延乃拌瞽叟之所為瑟,益之八弦,以為二十三弦之瑟。帝舜乃令質修《九招》、《六列》、《六英》,以明帝徳。
書き下し
之を命づけて大章と曰い、以て上帝を祭る。舜立ち、仰延、乃ち瞽叟の為りし所の瑟を拌ち、之に八弦を益し、以て二十三弦の瑟と為す。帝舜、乃ち質をして九招・六列・六英を修せしめ、以て帝德を明らかにす。
現代語訳
その音楽を『大章』と名づけ、天帝を祭った。舜が位に立つと、仰延は瞽叟の作った瑟を作りかえ、これに八弦を加えて二十三弦の瑟をこしらえた。帝舜は質に命じて『九招』『六列』『六英』を修訂させ、それによって帝の徳を明らかにした。
解説
堯の楽『大章』の命名から、舜の時代の楽器改良と楽曲の整理までを語る段です。堯の音楽は『大章』と名づけられ天帝を祭る楽となり、舜の代には仰延が瞽叟の瑟にさらに八弦を加えて二十三弦の瑟を作ったといいます。また舜は質に命じて既存の名曲を修訂させ、帝徳を明らかにしました。前段からの弦楽器の発達が引き継がれ、五弦・十五弦・二十三弦と段階的に増えていく様子が具体的に示されます。楽曲を新たに作るだけでなく、受け継いだ曲を整え直して伝えるという営みも記されており、音楽が世代を越えて改良・継承されていく文化の連続性がよく表れています。伝統を守りつつ磨き上げる姿勢は、今日の文化継承にも通じます。